和智東郊の詩碑 
〜阿字雄の滝の大岩〜


 萩の市内から国道191号線を東へ15分行きますと大井という集落があります。この大井の本郷という地区には阿字雄の滝という名所があります。


 この滝は弘誓寺という寺の跡地にあります。寺は幕末七卿落ちの時、澤宣嘉卿を匿ったなどの言い伝えが有りますが、現在ではこの滝と観音堂が残るのみです。
 滝の前に大岩がありここに山県周南の弟子である和智東郊の詠んだ漢詩が浮き彫りにされています。和智東郊については、ページTOPの明倫館儒学者小伝を参照してください。


 写真の右側の外に滝があります。そして写真中の左手にある板の様な大岩に漢詩が彫られています。何故ここにこのような詩碑が作られたのか。そのいきさつについてはそのうち調べることにします。『防長風土注進案』という文献に関連の記述があるようです。

 浮き彫りは大変薄く、まともにカメラに写りませんでした。ごめんなさい。
 この大岩の前は狭く、そこに通じる足場の板も滑りやすく危険です。ご注意ください。ちなみに筆者は見事に転びました。


  
  〜刻まれた漢詩〜

  日上林巒入画図

  畳成素練掛崎嶇

  請看石上題詩處

  字々與流飛作珠

  宝暦十三壬牛閏孟夏 東郊


     〜読み下し(参考、手前の案内板)〜

  日は林巒に上がって画図に入る

  畳成す素練、崎嶇に掛かる

  請う 看よ 石上題詩の處

  字々流れと與に飛んで珠となる